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知らないとまずい!?起業1年目の確定申告

 
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税理士のうばとしこです。
税理士としてはまだまだ若手です。
お笑い大好き、やんちゃでマイウェイをゆく息子と男勝りで世話好きな娘がいます。子煩悩な夫と4人家族です。 学生時代から大好きだった街、吉祥寺に事務所を構えています。
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こんにちは!税理士のうばとしこです。

設立3年目までの賢い選択を提案する税理士サービス「ゆるふわ経理部」を主催。リアルのサポートとオンラインのサーポートでこれまでになかった税理士との関わり方をオススメしています!
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毎月「領収書整理会」を開催。 前月分のお金の動きから、戦略的な経営計画を立てていくお手伝いをしています。

今日は、起業まもない方むけに、起業1年目で最も多い確定申告の質問5選というテーマです。

 

動画でもお話ししている内容です。ぜひご覧ください!

 

皆さん開業届と青色申告の届出書は出しておられますか?

 

これは税務署に対して出すもので、「私は今日から個人で事業をやっていきます」「事業をするにあたって青色申告をしたい」という届出をすることになっています。

 

これは、「することになっています」というよりは「した方がいいですよ」というお話です。

あえて言うなら絶対にした方がいいです。

もし、「もうちょっと稼いでからでいいかな。開業届を出してしまうとフリーランスになったことがバレてしまうし。」というふうにお考えの方がおられましたら、それは大間違いです。

「もらっているお金が少ないからバレないだろう」ということは絶対にありません。

 

 さて、起業して間もない人が絶対に知っておかなければならないダントツ1位の税金、それが確定申告に関係する「所得税」です。

 

「所得税がダントツ1位」と言ったのにはワケがあります。起業して間がなく、まだほとんど売上が上がっていない大赤字の人でも、確定申告は必ずしなければならないからです。

 

1.給料をもらっていた時と何が違うの?

給料明細をいただいたことがある方は思い出してみてください。

 

例えば20万円稼いでいたとしても、18万〇〇〇〇円~19万〇〇〇〇円と、端数のある中途半端な金額が入金されていて、「何か引かれているんだろうな~」というくらいしか認識がなかったかもしれません。

 

それは、所得税、社会保険料、住民税などの税金が引かれた結果、手元に給料が振り込まれるという仕組みだから、という理由です。

 

給料をもらっている方の税金は、会社が代わりに源泉所得税や社会保険料を徴収して国に納めてくれます。

ところが、起業して独立したとたん、それらを全部自分でしなければならなくなります。

 

「売上」や「経費」はどれくらいなのか、売上から経費を差し引いた「利益」に対してどれくらい「税金」がかかるのか、というレポートを自分で作って、税務署に提出します。

 

それが「確定申告」です。

 

つまり、確定申告とは、税金がどれくらいになるのかを計算する書類を作り、その計算書に基づいて税金を納付する、すべて自分で計算した税金を納付するということなのです。

 

2.確定申告のスケジュールってどんな?

 確定申告のスケジュールは、1~12月の1年間を単位として考えます。

これを「暦年単位」といいます。

4~3月などではなく、その年の途中で開業、廃業などをしていない人は、全員1~12月と決まっています。

 

その1~12月までの1年間のレポートを、次の年の315日までに税務署に提出するというスケジュールになっています。

提出する税務署はどこでも良いのではありません。

ご自宅のある住所や事業所の所在地を管轄する税務署に提出します。提出すべき税務署はどこなのか、あらかじめ調べておくと良いでしょう。

 

3.なにをどこまで提出するの?

「領収書をごっそり持って税務署に提出しなければならないのではないか?」

11枚チェックされて、『これはダメ』『これは何?』などと言われて答えられなかったら・・・」

という不安がある方も多いです。

 

実際は、一般的に提出するのは「確定申告書」「青色決算書」の2つだけです。

 

紙にして3~4枚程度。「え、領収書をごっそり持っていくんじゃないの?」と思っておられる方、それは違います。

実は、確定申告はその3~4枚の書類を提出したら終了です。

なので、「終わってみたら楽勝だった」みたいな声が聞こえるのですが、実はここに落とし穴があります。

 

税務署は、「315日までに提出してください」とは言いますが、「315日までに全員分チェックします」とは言っていません。

 

315日までに提出されたものについて、その後何年かにわたって保存されたり、他のところをチェックしたりする時間を経て、あなたの書類にチェックが回ってくる順番が来ます。

チェックされた上で、「だいたいこんなものかな」ということになったら連絡はありません。

もし「何かおかしいところがありそうだな」とか、「こういう取引先と取引があるのであれば何か関連があるのでは?」といった要因があったり、あとはくじ引きみたいなところもあって、「久しぶりに行ってみようかな」「ここ見てみたいから行ってみようかな」「ここ急に伸びたから気になる」といった先に、「税務調査」が入ります。

 

 それまでは、何も連絡がなく、「大丈夫なのかな?」と思わせる期間です。

いい加減に申告してその期間をドキドキしながら過ごすのって嫌ですよね。ですから、皆さん最初から正しくきちんと申告をしましょう、という話をしているわけです。

 

4.経費ってどこまで入れられるの?

起業して間もない方のもとにはいろいろな情報が入ってくると思います。

「あんなもの、こんなものまで経費で落としているよ」という起業家の大先輩がおられるかもしれません。皆さんもそういう風にしようかな、と思っておられるかもしれません。

 

もちろん、お仕事の内容によっては、会社員のころでは考えられないようなものが経費に入る可能性もあります。

それはあくまでも、「売上に貢献しているものなのかどうか」という基準で考えます。

売上に関係ないものは経費ではありませんし、個人的嗜好が強いものだとそういう目で見られてしまい、根拠をはっきり示すことができなければ認められない、ということになっていきます。

 

ですから、経費がどこまで入れられるかの情報は、「これは必ずこれです」という見解はなかなか申し上げにくいです。

 

皆さんの稼ぎ方の基準によりますし、売上の性格が毎年変わる方もおられます。

 

「今年はこういうモノが経費になった」とか、「去年まではやっていなかったけど、今年からこういうことを始めたから」ということもあるでしょうし、本当にばらつきがあるものなのです。

 

なので、1つ1つ、それが経費になるのか、経費として考え得るのか、根拠を挙げるとしたら何なのか、ということをよく考えた上で経費にしていくことをおすすめしています。

 

 もし、ご自身の基準だけではやっぱり自信がないという場合には、「こういうものを経費として挙げているんだけれども・・・」とご自身の事業の概要を説明した上で専門家に相談するのは、とても有効な方法だと思います。

 

5.リアルな税務調査ってどんな?

これは皆さんとても恐れておられます。

いったい何なのかわからないので、お化けみたいで怖いですよね。

でも、税務調査は別に怖いものではありません。

特に何も悪いことをしていなければ、何の怖いこともありません。税務署の方も人間ですから、怖いことを言ったり威圧してきたりするわけではないので、必要以上に怖がる必要はありません。

 

流れとしては、まず電話がかかってきます。

「〇月〇日に税務調査に行きたいのですがご都合はいかがですか?」と尋ねられます。

 

こういう聞き方なので、ご都合が悪ければ「都合が悪いです」「〇日と〇日なら大丈夫です」という風に、普通のアポイントとと同じ感覚で、ご自身のお仕事のご都合と税務署の方の都合をすり合わせて日時を決め、その日に税務署の方が来ることになります。

 

当日は、総勘定元帳や仕訳帳などの帳簿類を見ていき、気になることがあったら質問があります。

 

その質問に対してうまく言葉だけでは説明できない場合は、「エビデンスを出してください」と言われ、そこで初めて領収書を見せることになります。

 

 ですから、「朝起きたらいきなり税務署が玄関に立っていた!」みたいな、映画であるような話は、よほど大きな脱税をして、それが確実に立証されているといったケースでなければありませんので、あまり怖がらなくて大丈夫です。

 

 まとめ

 今日は、確定申告についてよくある質問5選をお話ししてきました。

  1. 給料をもらっていた時と何がちがうの?
  2. 確定申告のスケジュールってどんな?
  3. なにをどこまで提出するの?
  4. 経費ってどこまで入れられるの?
  5. リアルな税務調査ってどんな?

 初めての確定申告のイメージがつかめ、確定申告は特に怖いものではないということが伝わるといいな、と思います。

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