執筆記事ご紹介:「企業実務」日本実業出版社~債権回収のポイント~
税理士としてはまだまだ若手です。
お笑い大好き、やんちゃでマイウェイをゆく息子と男勝りで世話好きな娘がいます。子煩悩な夫と4人家族です。 学生時代から大好きだった街、吉祥寺に事務所を構えています。
こんにちは!夢をかなえるキャッシュフローパートナーのうばとしこです。
先月ですが、日本実業出版社様の「企業実務」に記事の執筆をいたしました。
テーマは「債権の回収可能性を見切るポイント」についてです。
この雑誌は市販されていないため、購読されている企業の方の目に触れることしかないのですが、業界老舗の日本実業出版社様で執筆のお仕事ができたことがとても嬉しかったです。
債権の回収可能性、という話は一見するととっつきにくい話題ですが、一言でいえば「なかなか回収できない売掛金にどのように対処していくのか」というお話です。
今回、税務上の取り扱いを踏まえた債権回収の会計処理について書きましたが、どんなお仕事にも当てはまる話として「滞っている債権をあきらめない、時効成立回避策」を紹介しますね!
債権の回収には時効がある
下記のように、債権の回収には時効があります。
債権の種類 | 時効期間 |
運送料・宿泊代・飲食代・チケット代など | 1年 |
製造業・卸売業・小売業などにおける売掛代金など | 2年 |
建設工事などを請け負った際の代金・医師の診療など | 3年 |
その他の商事債権 | 5年 |
※民法で定める消滅時効(民法改正により2020年4月1日からはすべて5年)
このため、時効が成立しないようにその進行を止めるためにも、あきらめずに督促をし続けることが必要になります。
時効の進行を止めるために
消滅時効は、債務者が時効を主張すれば成立してしまいます(時効の援用)。
しかし、民法では下記の3つの方法で時効の進行を止めることができるとしています(時効の中断)。
- 請求
- 差し押さえ・仮差押え又は仮処分
- 承認
請求とは
裁判上の請求、支払い督促、和解・調停の申し立て、破産手続き参加、再生手続き参加などのことをいいます。
このため、内容証明郵便での請求などでは足りない、ということに注意が必要です。
差し押さえ・仮差押え又は仮処分とは
これこそまさに債権行使をすることになるため、時効の進行を止めることができる手段です。
承認とは
最もやりやすい方法です。
というのも、債務者が債権者に対して債権・債務の存在を認めることになるので、債務確認書や支払い契約書に署名・押印して承認してもらいます。
また、債務者からの支払猶予の申し出や一部の債権の支払い、手形書き換えの承諾、相殺などについても「承認」であると認められています。
なかなか回収できない売掛金にどのように対処していくのか
上記の通り、万が一なかなか回収できない売掛金が発生している場合、まずやるべきは「承認」に値する督促行為ではないでしょうか。
会計や税務の処理についてよりも、実際に売掛金を回収できるのかできないのか、ということの方が会社にとっては重要な問題ですから、1円でも多くの売掛金を回収するためにどうしたらよいのかを考えねばなりません。
そもそも時効が成立してしまっては、回収が不可能になってしまいますから、時効の進行を止める策については知っておくと役に立つと思います!
では、また!
.
税理士としてはまだまだ若手です。
お笑い大好き、やんちゃでマイウェイをゆく息子と男勝りで世話好きな娘がいます。子煩悩な夫と4人家族です。 学生時代から大好きだった街、吉祥寺に事務所を構えています。