開業前の購入品は確定申告で経費に入れられるのでしょうか?
税理士としてはまだまだ若手です。
お笑い大好き、やんちゃでマイウェイをゆく息子と男勝りで世話好きな娘がいます。子煩悩な夫と4人家族です。 学生時代から大好きだった街、吉祥寺に事務所を構えています。
こんにちは!領収書整理会毎月開催中の女性税理士うばとしこ(@ubatoshiko)です!
今日も、いただいた質問をご紹介します!
昨年個人事業をスタートしました。今回は初めての確定申告になります。
事業開始届を提出する前に、パソコンなどの設備や、名刺作成やサイト構築費用などがかかっているのですが、開業前の出費というのは経費に入れるのは難しいでしょうか?
開業のために支出したものについては、初年度だけでなくその後も数年間に渡って影響することが一般的だから、と考えるとわかりやすいかもしれません。
償却をするということは、数年間かかってしまうというデメリットに感じるかもしれませんが、開業費の場合には、支出した年に全額償却してもよし、全く償却しなくてもよし、という「任意償却」という方法、あるいは「5年間の均等償却」という方法のいずれかで計算することができますから、つまりは、全額経費に入れることが可能だと言えます。
※動画でも解説しています!
開業費とは?
開業費とは、不動産所得、事業所得、山林所得に関する事業を始めるまでの間に、開業を準備するために特別に支出する費用のことです。
特別に支出という表現が気になりますよね。
実はこれ、個人事業の場合にはあまり深く考えなくても良いと思っています。
ただ、法人を設立して事業をスタートした場合には、会計上と税務上で「特別な費用」の考え方が異なりますので、注意が必要です。
開業費と言えば、例えば、こんなものかと思います。
事業に使用するパソコンの購入費用(10万円未満)。
名刺やプロフ写真などの広告宣伝費用。
市場開拓のための調査費用。
開業の相談のための打ち合わせ費用や相談費用。
開業前は、バタバタしていて領収書の整理など、大抵の方はめちゃくちゃです(笑)!
ですが、開業費を計算するのであれば、少なくともエクセルとかにまとめておきましょう!!
開業費にできないもの
何でもかんでも入れられるわけではありません。
こんなものは開業費にできませんのでご注意を!
資産の取得に要した金額
10万円を超える機械や器具については、開業費にはできません。
前払費用
例えば、店舗を借りて一年分の家賃を前払いしていたとしても、その前払分については開業費にはなりません。
開業費の償却方法
開業費を償却する場合には、下記の方法で計算します。
5年間の均等償却
開業費の合計額÷60ヶ月×その年の業務期間月数
任意償却
開業費の合計額のうち、未償却部分の金額の範囲内で必要経費に参入した額
まとめ
開業前の支出をどうするかは、質問がとても多いです。
会社を退職して、個人事業をスタートされた場合などは、年の途中までの給与から源泉徴収されている所得税がありますから、個人事業自体でマイナスの結果となっていたとしても、さらに開業費の償却を計上することで、税金の還付額が増加するケースも考えられます。
初年度の確定申告では、開業費という繰延資産を計上し、将来の経費をプールしておく、という考え方もできるので、検討する価値はあると思いますよ!
それではまた!
税理士としてはまだまだ若手です。
お笑い大好き、やんちゃでマイウェイをゆく息子と男勝りで世話好きな娘がいます。子煩悩な夫と4人家族です。 学生時代から大好きだった街、吉祥寺に事務所を構えています。