フリーランスから法人成り!合同会社の設立・経理・決算について女性税理士が解説します!
税理士としてはまだまだ若手です。
お笑い大好き、やんちゃでマイウェイをゆく息子と男勝りで世話好きな娘がいます。子煩悩な夫と4人家族です。 学生時代から大好きだった街、吉祥寺に事務所を構えています。
[/speech_bubble] [speech_bubble type=”drop” subtype=”R1″ icon=”icon_business_man03.png” name=”オカムラ社長”] 友人が設立費用を抑えて法人を作りたいって言ってるんですけど、何かいい方法ってありますか?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ icon=”S_IMG_0500.jpg” name=”うばとしこ”] コスト削減しつつの法人成りですね。状況をヒアリングしてからのご提案にはなりますが、日本版LLCと言われている、合同会社がいいかなぁと思いますよ♪[/speech_bubble]
法人には、株式会社の他にも数種の形態がありますが、その中でも新しい形態、合同会社についてお話しますね!
ちなみに、今ちょうど新規事業の合同会社の設立準備中です!あとはお客様にご印鑑をいただいて登記するだけなので今からワクワクしています!
合同会社って?
合同会社という会社形態は、平成18年の会社法改正の際に創設された、新しい会社の形態なので、すでに12年目に入っています。
それでもまだまだ話題性が高く、年々、合同会社設立数が伸びてきていて、いかに市場のニーズにマッチしているのかということを物語っています。
設立の件数は平成18年当初は年間3400件、1年後の平成19年には6000件ほどになり、平成28年には24000件弱にまで推移しているというから驚き。
これほどまでに件数が増えているとなれば、知っておいて損はないですよね!
合同会社は、なんといっても設立コストが安い!
株式会社との比較になりますが、下記の通り、コストが安く済むのが最大のメリットと言えると思います。
費用は様々な実費がかかります。諸々合わせて比較すると・・・!
であるのに対して、合同会社は定款の認証が必要ないなどの理由から、コストが安くなります。
全てをご自身で行えば、もっともっと安くできます。定款の電子署名を依頼すれば印紙代を節約できますし、合同会社の登記費用はたったの6万円なのです!
事業のスタート時は何かとお金がかかりますから、設立のコストを抑えられるのは大きなメリットといえるでしょう!
合同会社には、役員の任期がない!
株式会社の場合、取締役などの役員は、最長10年間の任期があります。
一人社長の場合などは、任期とはいっても、また同じ人物が役員に就任することが多いにも関わらず、任期切れによる役員の変更登記手続きをしなければなりません。
手続きには実費がかかり、時期をうっかり忘れていたりすると、後から罰金がかかります。
これも、合同会社が株式会社よりも利用しやすいと言われるメリットといえるでしょう。
合同会社でも、法人としての税優遇が受けられる!
株式会社よりもコストを抑えて設立できるからといって、税制面で不利になることもありません。
そもそもフリーランスから法人成りしようと思ったのも、税制面の優遇というメリットを享受したくて、という方が多いですよね。
合同会社も、青色申告を法人として、堂々と法人税の申告をします。
株式会社と比較して、税制面で不利になるようなこともないと言っていいでしょう。
合同会社から株式会社への組織変更も可能
始まりは合同会社でコストを節約し、時期が来たら株式会社へ組織変更、ということも可能です。
そのための変更登記手続きには実費がかかりますが、最初にどーんと出て行くか、分割で出て行くかの違いといったイメージでしょうか。
それと、会社が動き出してからの各種変更は、正直なところはかなり面倒です。
よって、業種にもよると思いますが、最初から株式会社に向いているのか、合同会社でスタートしてみるのか、合同会社のまま運営していっても支障がないのか、など、最初によく検討することをおすすめします。
いい事ばかりでもない?株式会社と比べて劣ること
ここまで見てくると、株式会社よりもいいんじゃない?とも思えてきますよね。
ただ、劣ってしまうことがあることも、チェックしておかなければなりません。
まずはやはり、社会的信用、という面です。
まだまだ株式会社に比べれば知名度はありませんから、取引する際にネックになる可能性があります。
銀行融資を受ける際にも、その辺の信用度が劣ってしまう可能性があります。
それから、上場を目指しているのなら、初めから株式会社にすべきです。
合同会社では上場することができません。
メリットばかりではないにしろ、業種、業態によってはとても扱いやすい会社形態であることは確かです。
設立を考える際には、検討してみなければ!ですね!!
合同会社の経理を自社でやるなら、会計ソフトを使おう!
一人、あるいは少人数でスタートすることが多いため、会社の経理もなるべく自社でやりたいという思いがあるでしょう。
ある程度の規模になるまで、社内で経理事務をしっかりやっておくと、売上が伸び、利益が出て来たときにも慌てずに済みますから、ぜひトライしてみてほしいところです。
じゃあ、何から始めよう、となると思いますが、個人の確定申告とは異なり、法人税の申告書を提出する必要があることから、一連の経理の流れをスムーズにしていくためにも、会計ソフトを利用するのがいいと思います。
税理士に依頼する場合には、自社ではエクセルなどで処理をし、そのデータを渡す、といった方法もあります。
どちらが実態に合うのか、外部に委託して本業に専念したいのか、得意、不得意、などによっても分かれるところです。
自社に合う会計ソフトを選ぶにあたり、私のおすすめは下記です。
自社で全ての記帳を行う場合
・年間売上が1000万に満たない場合
→MFクラウド 費用の目安・・・約35,000/年
・年間売上が1000万円を超える場合
→弥生会計(オンラインはおすすめできません^^;) 費用の目安・・・約42,000円/年
一部を税理士に委託する場合
記帳業務の一部を会計事務所に委託する→会計ソフトは使わずに、エクセルで管理
ちなみに、当事務所では、独自のクラウド会計を利用し、現金出納帳のみを入力してもらったりなど、自由にカスタマイズできるシステムのご提供もしています。費用負担は約3,000円/月です。
設立間もない会社様には、なるべく費用をかけない方法、エクセルデータのみでのご対応も行なっています。
会計ソフトは使いこなさなければもったいない!
会計ソフトを購入して、満足することはできません。
コツコツ入力していかなかればなりません。
領収書・請求書・納品書・その他の書類については、きっちり保管していくことも必要です。
月に一度は、まとめて整理をしたいものです。理想は毎日行うことですが・・・。
とはいえ、経理の作業は後回しになりがちで、なかなか重い腰をあげられない、会計ソフトを導入してはみたものの、使い方がさっぱりわからない、などのお悩みがある方は、私が主催する、下記のようなサービスをご利用くださいませ。
領収書整理会
定期的に開催します。自分一人では集中力が上がらない領収書の整理や経理作業。
同じ境遇の経営者の方々と、同時に行うことで経理作業が進むだけでなく、様々な効果がありますので、ぜひ一度ご参加くださいね!
合同会社の決算
決算は、定款で定めた事業年度をもとに、事業年度終了の日から2ヶ月以内に行います。
例えば3月31日が事業終了の日だとすると、5月31日までに下記のような書類を提出しなければなりません。
・決算報告書
・科目内訳書
・事業概況書
・法人税地方法人税確定申告書
・地方税申告書(都道府県、市町村)
先ほどまで説明した、会計ソフトを使って作成することができるのは、ほとんどのソフトの場合は「決算報告書」のみです。
それ以外の法人税申告書の作成などは、別のソフトを利用するか、あるいは手書きで行なったり、e-taxへの入力で行うことになります。
会計ソフトでまかなえる範囲を自社で行い、決算申告については税理士に依頼するパターンが多いのはこのせいですね。
合同会社の設立をオススメするビジネスとは?
会社を作りたいけど、どんな会社形態にするのか迷った時、参考になればと思います。
・一人で事業を行なっていて、今後も増員していく予定がない
・個人事業で行なっている事業の下請け的な存在の法人をつくりたい
・資産運用専門の会社にしたい
・法人の事業承継などは考えていない
・第三者から見た法人のイメージについては全く気にしていない
・店名などを前面に出しているため社名の看板を表に掲げる必要性がない
・とにかくコストを抑えて法人をつくりたい
・主婦起業としてスタートしたけど、いずれは会社をつくって社長の座につきたい
などなど、一概には言えないのですが、ビビっときたらチャレンジしてみる価値はあるとおもいますよ〜!
では、また!
税理士としてはまだまだ若手です。
お笑い大好き、やんちゃでマイウェイをゆく息子と男勝りで世話好きな娘がいます。子煩悩な夫と4人家族です。 学生時代から大好きだった街、吉祥寺に事務所を構えています。