治療院、サロン経営者のための初心者でもわかりやすいエクセル経理
税理士としてはまだまだ若手です。
お笑い大好き、やんちゃでマイウェイをゆく息子と男勝りで世話好きな娘がいます。子煩悩な夫と4人家族です。 学生時代から大好きだった街、吉祥寺に事務所を構えています。
理学療法士やカイロプラクター、ボディトーク施術師の先生など、自由診療の治療院経営者とのご縁が続いているので、初心者でもわかりやすい経理についてまとめてみました。
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ icon=”S_IMG_0500.jpg” name=”うばとしこ”]サロン経営の方にもお役に立つ情報です![/speech_bubble]
治療院の経理についてイメージしておくと良い全体像
全ては売上から始まります。
売上から変動費を差し引いて、粗利(水色の半円とピンクの半円を合わせた円)が残ります。
変動費というのは、売上の金額に大きく影響する費用で、外注費や材料費などが思い浮かびますが、治療院の場合広告宣伝費などが含まれるかもしれません。やり方次第だと思います。
粗利は固定費と利益に大きく分けられます。
固定費とは家賃や人件費、光熱費など毎月決まった出費です。ただし、個人事業の場合には、自分以外の人件費しか経費にはなりません。
残った利益から、税金を払ったり借金の返済をしたりするということを表しています。
上の図のように売上全体の円の中に納まって入れば、黒字を出しつつ、キャッシュフローも回しやすい状態です。
売上から変動費を差し引いたら固定費分が残っていなかったり、固定費が多すぎて利益部分がなくなってしまうと、赤字状態、資金繰りもきびしくなってきます。
税金や返済は経費にならないし、そもそも利益が出ていなければ支払えません。
ところが、売上金が必ずしもすぐに手元に入金されるわけではないので、お金が足りなくなったら外部から借り入れるなどして調達してこなければ資金ショートしてしまうこともあります。
この仕組みを理解しているのとしていないのでは、お金との付き合い方が異なってくるので、時々思い出してみてください。
売上の目標値の決め方
逆の発想で、売上の目標値をイメージすることができます。
治療院の場所代(家賃)、毎月かかる経費、人件費がいくらかかるのか?
借金の返済がある場合には毎月いくらの返済なのか?(ここでいう借入とは、事業に関する借入です)
最終的な利益はどれくらい出したいのか?
税金は多めに見積もって利益の4割くらいと考えておくと良いです。
これらを具体的に数字を当てはめてみると・・・
売上目標が1000万円という風に、数字がでてきます。
ざっくりとした計算ではありますが、ひとつの指標にはなるとおもいます。
あまり細かく考えすぎない
経理への苦手意識は、間違えてはいけない、きっちりやらなきゃいけない、というイメージからくるのかもしれません。
けれども、上の図のようなイメージを頭の中に入れて、ざっくりと考えておくくらいがちょうどいいと思います。
ざっくりと考えつつ、ポイントはきっちり抑えておきたいところです。
日々記録しておかなければならない「売上台帳」
毎日きっちりやらずとも、記録しておかなければどうしようもないこともあります。
それが、「売上の集計」です。
多機能レジなどを使用している場合はともかく、まだまだ現金受取も多いのが現状です。
クレジットカードを併用していたりすればなおさら、ごちゃごちゃになってからでは収拾が付かなくなってしまいます。
レジを使わず、エクセルで管理している場合には、下記のような項目を最低限記録してください。
上記は、施術当日に支払いがされる前提で、売掛金という概念については含んでいません。
また、保険診療がある場合などは、未収金勘定などで管理する必要がありますが、ここでは触れていません。
月に一度は整理したい「現金出納帳」
現金出納帳についても、マメな記録が必要です。
ここで、現金の取り扱いについて、ご法度があります。
え?どゆこと?
お金には色がありません。
だからといって、売り上げたお金をお財布に入れて、そのまま経費の支払いなどに使うことはおすすめしません。
なぜなら、それこそが「どんぶり勘定」だから。
頭の中ではしっかり分けて考えているから大丈夫、と思っている方は要注意。時が経つとごちゃごちゃになります。
だからこそ、売上金は定期的に口座に入金することをお勧めします。そして、経費に使う現金は、その口座から引き出しをして小口現金として管理します。
経費は、手元にレシートや領収書が溜まっていき、積もれば山となります。
定期的に領収書の整理を行うこともお勧めしています。
さらに小口現金から支払った履歴を「現金出納帳」に記録しておきます。
「通帳」にはメモしておく
売上の入金をしたら、「〇月〇日の売上」とメモしておきます。
手元用現金を引き出したら、「小口現金用」とメモしておきます。
あとから通帳を見たとき、その金額が何の分なのかわからないものがでてこないよう、マメに記録を取っておくことが大切です。
毎月の利益を把握できるようになる
上記を繰り返していくことで、最初の図に数字を埋められるようになってくると思います。
すると、毎月どれくらいの利益が出ているのかがわかるようになってくるのです。
経営するうえで、現状を把握し、さらに発展させていくための判断を下すために必要なのは、リアルな数字です。
ご自身で決算まで行う場合や、通帳への入金が多い場合には会計ソフトを使うことをお勧めしますが、現金取引が多く、税理士が関与している場合には、上記の資料があれば大まかな流れを確認することが可能となり、間違いの発見などもしやすくなります。
是非、数字を肌で感じられるようになっていただければと思います!
では、また!
税理士としてはまだまだ若手です。
お笑い大好き、やんちゃでマイウェイをゆく息子と男勝りで世話好きな娘がいます。子煩悩な夫と4人家族です。 学生時代から大好きだった街、吉祥寺に事務所を構えています。