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目指せ100万円!小規模事業者持続化補助金 申請のコツ

 
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税理士のうばとしこです。
税理士としてはまだまだ若手です。
お笑い大好き、やんちゃでマイウェイをゆく息子と男勝りで世話好きな娘がいます。子煩悩な夫と4人家族です。 学生時代から大好きだった街、吉祥寺に事務所を構えています。
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小規模事業者持続化補助金の申請には、コツがあります。

今回取り上げるのは「小規模事業者持続化補助金 低感染リスク型ビジネス枠」の申請のコツについてです。


補助金の申請は、その事業計画の目的と実施内容を明確に打ち出すことが必須です。

また、計画が実行されたらどのような姿になるのか?といったことをストーリーとしてしっかり表現する必要があります。


もし自分が計画書の審査をする立場だったら、どんな基準で合格、不合格を決める?という視点を持つことがポイントになります。


令和2年度にも同様の補助金があり、名称は「小規模事業者持続化補助金 コロナ特別対応型」という名称でした。


令和3年度は名称が「低感染リスク型ビジネス枠」と変わりましたが、申請の形式や採択の基準はほぼ同一であることが予想されます。

昨年、私がコロナ特別対応型の申請アドバイスさせていただいた方は、実は100%採択されました。しかも採択率がもっとも低かった年度最後の回で100%という実績があります。

その経験から、今回は計画書作成のコツについて触れていこうと思います。
まず、小規模事業者持続化補助金の概要からみていきましょう!

動画でご覧になりたい方はこちらもどうぞ!

小規模事業者持続化補助金とは?

中小企業庁が実施する補助金で、国の予算から事業者に補助金を出してくれるという制度です。

とくに小規模の事業者が、将来にわたって事業を発展していけるような思い切った施策にチャレンジしたい、というときに、その一部を補填してくれます。

今回取り上げる「低感染リスク型ビジネス枠」というのは、小規模事業者持続化補助金の種類の一つ。

新型コロナウイルスの流行によって、これまでと形態を変えたビジネスモデルにチャレンジしていく事業者を応援するといった趣旨です。

つまり、感染を防止するため、人との接触を減らすことができるようなビジネスモデルで、なおかつ事業発展につながる販売促進計画を立ててほしい、といった国の要望があるわけです。

採択のキモとなる書類の書き方〜経営計画〜

まず、フォーマットはコレ。

このフォーマットに文字や画像を加えて、5枚以内にまとめ上げる必要があります。

申請者名にはお名前や名称を書くので、指示通りに記入します。

ここでのポイントは「指示通りに」です。自分なりの解釈で省略したり、余計なことを加えることはタブーです。
補助金の申請では、ルールの厳守が大前提だということを肝に銘じておきましょう!

では、項目別に細かくみていきましょう!

1.自社の事業内容

*印にあるように、自社の概要、経営状況、課題、特徴、商品サービスの内容、市場動向、経営方針、目標について、ひとつひとつ項目をたてて説明します。

自社の概要

ここでのポイントは下記のとおり。

  • どこで?
  • なにを?
  • だれに?
  • 強みは何か?

    ビジュアルも大切なので、上記を文章で説明した後、簡単な表にまとめておくと見やすくなります。

【サンプル】

主なサービス内容(営業時間:9時〜17時、定休日:日曜日)

顧客数月単位、週単位、など期間でくぎるとイメージしやすい
サービス単価(平均)月単位、一人あたり、プロジェクトあたりなど数値化するとわかりやすい
主な顧客層対象は個人か法人か?
個人の場合:年代、性別、職業、年収など、嗜好
法人の場合:業種、規模、所在地など
主なサービス内容サービスの内容ごとの説明をできるだけ細かく具体的に記載する
収入(売上)の構成主要な収入源は何か、現状のリアルな数字をできるだけ具体的に記載する

売上と利益率の関係

順位①売上単価の金額が高い②利益率が高い②の利益率
1位
2位
3位

経営状況

経営状況を最もわかりやすく表すことができるのは、数字です。

よって、ここでも表を使ってリアルな数字を表現していきましょう。

ポイントは、この経営計画を実行することによって、どのように経営状況が好転するのかというストーリーですから、そこに繋がるためには、新型コロナウイルスの影響をどのように受けているかという実態を表すとよいです。

平成30年令和元年令和2年
売上高
主な経費の合計
利益額

課題

ここで書くべきは、新型コロナウイルスによる影響を受けたことにより、浮き彫りになった課題です。

上記の経営状況から見て、売上を伸ばしていかなければならないんだ!ということを踏まえ、課題が浮き彫りになったからこそ、今回の補助金を使ってなんとか販売促進につなげたい、という意向を現ることが大事です。

特徴

「自社の概要」部分でも触れたことを、もっと深掘りした内容にします。

特に意識してほしいのは、だれがこの補助金の審査をするか?です。

審査をする方の年齢層は若いと思いますか?高いと思いますか?

私は実際の審査員が誰なのかは知りませんが、おそらく「年齢層は高い」と踏んでいます。

すると、「年齢層が高い」審査員の心に響く内容にする必要がありますよね。

偏見も交えて、年齢層の高い審査員に響くためのポイントはこんなことではないでしょうか?

  • すぐに理解できる単語を使う
  • 業界用語や流行り言葉は使わない
  • どんなに最先端の取り組みをしていても、世間一般に知られている取り組みに近づけた表現をする

商品サービスの内容

こちらも、「自社の概要」で触れたことをさらに深掘りした内容にします。

対象者だけではなく、なぜそのサービスを展開しているか、といった思いなども含めるとより深みが増します。

市場動向

ここでのポイントは、いかに一般的な指標で表すか、ということです。

一般的な指標と言われて思い出すのはなんでしょうか?

代表的なのは、統計資料です。

自分で調査をすることは無理です。なので、省庁などの公共性の高い機関が利用している統計資料を探してみましょう。

インターネットで検索すれば数々の統計資料がでてきます。

その中から、今回自分が計画書に盛り込みたい内容に少しでも被っているような内容の統計資料をどんどんスクショしていってください。どの資料を使うかはあとから選択すれば良いと思います。

【サンプル】

経営方針

上記の「市場動向」の統計資料を使って、今回計画する内容につなげていきます。
ここは、半ば無理矢理でもいいからストーリーをつくることがポイントになります。

頭の中にあるアイデアにぴったりの統計資料は、だれしも見つけることができないものです。
なので、そこは柔軟に考えてみる。とにかくちょっとでもかすっている資料から、ストーリーを繋げる。
ここが腕の見せ所とも言えると思います。

目標

計画を実行すると、どのような状態になるのかを明確にします。

心得ておくべきなのは、すべて仮説であるということ。

仮説がその通りになるかは、だれにもわからない。そう、未知数でよいのです。

この仮説が上手に描けないと、経営計画書にブレが生じます。

よって、ここまでのところでの内容が、すべてストーリーとしてつながるように組み立てることがポイントです。

2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策

自社の経営や事業環境への影響

ここでは新型コロナウイルス感染症の影響が出た時期である2020年1月ごろからの業績を、その1年前の2019年と月別で比較するのがわかりやすいかと思います。

さらに2021年もこの計画書を提出する直前までのところまで、埋めておくと現状がどうなのかというアピール材料にもなります。

よって、サンプルとしては下記のような表を入れると一目瞭然です。

売上高1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2019年
2020年
増減率▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %
2020年
2021年
増減率▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %▲  %

現在取り組んでいる対策

すでに新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めて1年が経過しています。その間、コロナ禍を乗り越えてきた現在の対策について説明します。

また、その対策をうったけれども、やはり対応しきれないからこそ今回の補助金を使ってなんとか販売促進計画を実行したいのだ、というストーリーに繋げることがポイントです。

採択のキモとなる書類の書き方〜補助事業計画〜

1.補助事業名(30文字以内)

 今回の補助事業を30文字以内で表す、という部分です。

ここの事業名は、実は参考にできる箇所がたくさんあります。それは、過去に採択されたことのある事業名を閲覧することができるからです。

たとえば、令和2年度の小規模事業者持続化補助金 コロナ特別対応型の最終回の採択事業の名称は、こちらから閲覧することができます。

補助事業の事業名称というところが、まさにこの「補助事業名」です!

2.補助事業の内容

ここでは、今回の計画で取り組む内容を詳しく説明します。

取組内容

まず、簡潔にこの事業の概要を説明します。この部分で事業の全体像が想像できるようなわかりやすい表現にすることがポイントです。

  • 誰に向けて
  • 何を提供する

実施体制・スケジュール

取組内容を具体的に細かくかみ砕いた説明をします。

たとえば、計画の柱を大きく4つくらいに分け、その各段階で必要になる工程をグラフにするなどして表現することがポイントです。

※掲載許可をいただいている実際の採択済み申請書からコピーしているため一部隠してあります。

3.補助事業の効果

この計画を実行することにより、販売促進効果がどのように表れるのかを表現します。

ここでも、計画実行による効果を具体的な数値で表すことが大切です。

「実施体制・スケジュール」のところで大きく4つくらいに分けた取り組みの柱ごとに、ターゲット数、単価、を掛け算して、月にどの程度の売り上げが見込めるのか、といったことを表現します。

※実際に採択された申請書から許可を得て掲載しています。

令和3年度の申請スケジュール

最後に、小規模事業者持続化補助金 低リスク型ビジネス枠の申請スケジュールをまとめておきます。

この記事を書いた時点で、第1回目の申請は終了していますので、残りのチャンスは下記のとおりです!

  • 第2回受付締切:2021年  7月  7日(水)
  • 第3回受付締切:2021年  9月  8日(水)
  • 第4回受付締切:2021年11月10日(水)
  • 第5回受付締切:2022年  1月12日(水)
  • 第6回受付締切:2022年  3月  9日(水)

ぜひチャレンジしてみてくださいね!

それではまた!

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